南部町に住みながら東京在住の方とSNS(Facebook)を活用し、結婚相手を公募にて集め実際に結婚された田村余一さん。
−−出会うべき人には必ず出会うと思う。でも、それが身近にいるとは限らない。それなら無料で使えるSNSを活用して広く募集しようと思い公募を開始。思った以上の反響があり、実際に申し込みがあったのは20名ほど。すぐに結婚に向けて真剣なやり取りをはじめました。最初から今回「振る刀は一振り」と決めていたので、この人しかいないなと言う一人の方に決め、他の方はお断りし、覚悟を持ってメールでのやり取りを続けました。
なぜSNSで嫁募集?
2〜3年くらい前からSNSを利用して婚活をしてみたいと思っていました。結婚できない人も増えていて、社会問題になっていると感じていたので一石投じたいと思ってました。無料で使えるサービスなんだから自由に使えばいいんです。
自分はこういうものですというのをさらけ出して、「結婚相手を探しています!」と素直に発信すればいいんです。
誰でもそうですが、相手が何者なのか分からなければ、その人に興味を持つことはないと思うんです。相手に興味を持つことの前にまずは自分が何者なのかを真剣に伝えなければそもそもが始まらないのです。
実際のところ反響はありました?
多くの方から申し込みいただきました。申し込みだけではなく、すでに既婚の方からも応援したいというお声をいただいたり、付き合ってる人がいるけど申し込んでみたかったとか。中には冷やかしのようなのもありましたけど。
申し込んでくれた方の多くは本気で結婚を考えてくれていて、冒頭でも話した通り「振る刀は一振り」と決めていたので、スモールトークを積み重ねるのではなく、一回一回のやり取りに真剣に向き合って、じっくりとお相手のことを考えてメールでやり取りしました。
20名を超えるお申し込みをいただいてはいましたが、最初の段階ですでに一人に決めて、他の方には気になる人が見つかったのでというお断りの連絡をしました。
万が一、絞り込んだ一人の女性と上手くいかなかったとしても、次の人、それがダメなら次の人といったランク付けみたいなことはしたくなかったので、ダメであればまた改めて公募しようと思っていました。
奥様にお聞きしたいのですが、親の反対などありませんでしたか?そもそも怖くなかったですか?
怖いというのはなかったですね。色々と情報はいただいてましたし、メールでも濃密にやり取りをしてきましたし。
親の反応は、最初は半信半疑でしたね。でも、今までも東京で一人暮らしをしていましたし、自分のことは自分で責任を持つように感じてくれていたのだと思います。
実際に親とも対面し信頼関係が創られていたと思います。
価値観のズレのようなものは感じませんでした?
他人だから意見が合わないことは当たり前だと思っています。それで嫌だとかそういうことではなくて、その人の考え方なので特に何も気にしていないです。
目標はもっと先にあって、夫婦二人で自給自足の生活ができるようになりたいと思っているので、些細な価値観の違いは特に気になりません。
お子さんとか将来的な話をすると・・・
今は妊娠8ヶ月ですが、今後もこのスタイルを大きく変えることはないと思います。。
子どもには、人間そのものが生きるために何が必要なのかを教えてあげたい。要は、周りに何もなくなったとしても、自分の力で生きていくためのカロリーを摂取できるか。たとえ文明が崩壊しても生きられる力としての、衣食住を教えたい。
最近はちょっと危ないとそれを体験させないことが多く、危険から遠ざけているだけで何も解決にならない。山でも川でも裸足で好きに遊べばいいと思います。今のままだと子供の学ぶ場が狭くなってしまう。
何がどう危ないかを教え、体験させたいと思いますし、山の素晴らしさとか、自然のことを体感して覚えてもらいたい。自分自体が自然の一部であることを知ってほしい。
結婚に大事なことはなんでしょう?
一番大事なのは覚悟?かな。会話やメール一つとってもそうですが、一つ一つのコミュニケーションにも覚悟というか真剣さは必要だと思います。たとえばLINEとかのように気軽にコミュニケーションを取れるものもあるけれど、あえてメールで長文のやり取りをしました。相手がどんな風に読んでるかを考えて書くのは大事だと思います。
そして、2人の目標があるといいのではないかと思います。無理に作る必要はないとは思いますが、自分たちがどうやって生きていきたいかを共有できていれば、二人の繋がりは強い気がします。
今回の場合は、メールでのやり取りだけでしたが会う前にどうやって生きていきたいかは決まっていました。
家族になるとはどういうことでしょうか?
私の場合は気持ち的に穏やかになりました。お互いに助け合える環境になるというのが一番いい。
常に一緒にいるが、喧嘩することはないですね。喧嘩をするとパワーを使いますし、時間が勿体無い。
お互いが相手を思い許すことが必要だと思います。たまに会うだけの関係ではないので、お互いに良い時間を増やす方がいいと思います。
実際、私の家族はというと、父親とはあまりいい思い出はありませんでした。仕事が忙しくあまり話をする時間もなく、ただただ怒る存在だと思っていた。でも、夏祭りかなんかの時に酔っ払ってご機嫌になった父がふらふらしてるのをみて、厳しかった父のいつもと違う本来の人間性を見れる一面がありました。人間臭い父親をみて面白いなと思い、父に対して、それからは違う見方をするようになりました。
家族といえども、一人の人間なので人間臭さを見せて自分を隠さず知ってもらうことが大事だと思います。